開発行為に伴う埋蔵文化財の取り扱い手続き

開発に関係する埋蔵文化財の取り扱いについては、文化財保護法が文化財保護の立場やこれに伴う必要な手続きを定めていますが、開発によって無用な混乱や余分な経費・日時を費やすことのないよう、開発事業者は市教育委員会文化財担当と事前協議を行い、円滑に開発が進められるよう調整を行うことが望まれます。

埋蔵文化財の所在の有無の照会

土木工事等を行う場合、その予定地内に埋蔵文化財が所在するかどうか、教育委員会発行の遺跡地図等で確認することが望ましいです。しかし、埋蔵文化財は土中などに埋もれているため、その広がりや残存状況を把握しにくいことや、未知の遺跡が存在する可能性があることから、地図上のみで埋蔵文化財の有無を判断することが困難なこともあります。このようなことから、市内で土木工事等を行う場合は事前に、御前崎市教育委員会宛に文書で

埋蔵文化財の所在の有無及びその取り扱いについての照会(ワード:26KB)

を行うことが望まれます。 なお、1,000平方メートル以上の土地利用事業を行う場合は、御前崎市が定めた「御前崎市土地利用適正化に関する指導要領」の個別基準により、事業計画の策定に当たっては、施行区域内における文化財の所在の有無を教育委員会に確認し、文化財が所在する場合その取扱いについて協議することとされています。

土木工事等に伴う埋蔵文化財包蔵地の取扱い

文化財保護法では、周知の埋蔵文化財包含地において、土木工事等を行おうとする場合、民間の事業者は工事着手60日前までに静岡県知事宛に届出を(法第九十三条)、国の機関・地方公共団体等は計画策定の段階でその旨を通知する(法九十四条)ことになっています。 しかし現実には、発掘調査の日程や工程の調整などを短期間に行うことが困難であったり、また工事中に新たな埋蔵文化財が発見された場合、直ちに工事を中止し、静岡県知事に届出、通知する必要があることから(法九十六条・九十七条)、事業計画に影響をあたえることも予想されます。 このような不測の事態を防ぎ、遺跡の保存と開発事業との調整を円滑に進めるため、文化財保護法の規定による諸手続きをとる以前に埋蔵文化財の所在の有無の確認と所在した場合の取扱いについて十分な話し合いを行う期間が必要です。 したがって、照会は出来る限り早い段階(計画変更の可能な時期)に行われることが望まれます。ただし、現地踏査ができることが前提となりますので、事業者は土地所有者または占有者と異なる場合はあらかじめその旨了解を得るようにして下さい。

現地踏査等

埋蔵文化財の所在の有無の照会が提出されますと、御前崎市教育委員会は現地踏査を行います。ただし、埋蔵文化財包蔵地の近接地や地形等から埋蔵文化財が所在している可能性がある場合や埋蔵文化財包蔵地でも残存状況などが地表面からの観察だけでは分からないこともあり、必要な場合は試掘調査等を行うことがあります。

埋蔵文化財所在の有無の回答

現地踏査や試掘調査等の結果、次のような回答が出されます。

埋蔵文化財は確認されません。

埋蔵文化財が確認されなかった場合は、開発事業者は計画どおり工事に着手して差し支えありません。ただし、工事中などに新たに埋蔵文化財が発見された場合は、直ちに工事を中止し、静岡県知事に遺跡発見の届出書(法第九十六条)又は遺跡発見の通知書(法第九十七条)を提出しなければならないので、まず御前崎市教育委員会に連絡してください。

埋蔵文化財が所在します。

埋蔵文化財の所在が確認された場合は、開発事業者と静岡県知事・御前崎市教育委員会との間で、事業計画・施行方法・工程などを考慮し、埋蔵文化財の取扱いについて具体的な協議を行うことが必要となります。

確認調査等

開発事業者との協議や、やむを得ず記録保存のための発掘調査の措置をとることになった場合の資料として、埋蔵文化財の範囲や残存状況、時期、内容などを確認するための確認調査等を実施します。試掘・確認調査を行う場合には御前崎市教育委員会

埋蔵文化財の試掘・確認調査依頼書(ワード:27.5KB)

と土地所有者または占有者の

埋蔵文化財の試掘・確認調査承諾書(ワード:32KB)

の提出をお願いします。また場合により、確認調査の事前に協議を実施する場合もあります。

協議

「埋蔵文化財の所在の有無について」の回答により、遺跡が所在する旨の回答があった場合、開発事業者は事業計画・工法・工程などを、教育委員会は埋蔵文化財の所在の場所、現状、重要性などについてそれぞれ説明したうえ、埋蔵文化財の具体的な取扱いについて話し合い、次のような調整と協議を行うことになります。

  1. 開発区域から遺跡の所在している土地を除外する事が可能か。
  2. 除外が不可能の場合、緑地、公園等現状保存が可能な区域に組み込む事が可能か。
  3. やむを得ず現状変更が困難な場合、記録保存(=発掘調査)の措置をとる事になります。

土木工事等に伴い埋蔵文化財を発掘するための手続き・届出等

埋蔵文化財包蔵地で土木工事等を行うにあたって、開発事業者は静岡県知事に事前に届出・通知(法第九十三条・第九十四条)を行わなければなりません。前述のように民間の事業者の場合は工事着手の60日前までに届出を(法第九十三条)、国の機関等は計画策定の段階で通知(法第九十四条)することになっています。 なお、埋蔵文化財発掘の届出にあたっては埋蔵文化財発掘の届出書に埋蔵文化財発掘の届出書添付書類及び土木工事等をしようとする土地及びその付近の地図並びに当該土木工事等の概要を示す書類及び図面を添付して、正本1部、副本1部の合計2部を御前崎市教育委員会に提出してください。 埋蔵文化財発掘の通知にあたっては埋蔵文化財発掘の通知書に埋蔵文化財発掘の通知書添付書類及び土木工事等をしようとする土地及びその付近の地図並びに当該土木工事等の概要を示す書類及び図面を添付して、正本1部、副本1部の合計2部を御前崎市教育委員会に提出してください。届出書・通知書はどちらも市教育委員会から静岡県知事に進達します。

指示事項

土木工事等のために発掘の届出・通知に対し、(6)の協議結果を踏まえ、埋蔵文化財の取扱いの指示が静岡県知事から出されます。 工事による破壊が埋蔵文化財に及ぶ場合、あるいは恒久的な建築物や道路などをその上に設置する場合は発掘調査、工事による埋蔵文化財の影響が軽微な場合または影響がない場合は工事立会・慎重工事、工事区域内であるものの埋蔵文化財を緑地等に取込むなど現状保存が可能である場合は現状保存を指示します。 各々の指示内容は次のとおりです。

発掘調査

工事実施前に発掘調査を行ってください。

工事立会

工事期間中に教育委員会の埋蔵文化財担当職員が立会いますので、現場での職員の指示には厳密に従ってください。なお、開発事業者は、工事の事前

埋蔵文化財の工事立会依頼書(ワード:28KB)

の提出をお願いします。

慎重工事

埋蔵文化財に影響を及ぼすことがないよう、慎重に工事を実施してください。

現状保存

埋蔵文化財を工事区域の中で保存することですので、工事の実施にあたっては影響を及ぼさないよう、慎重に行ってください。

記録保存のための発掘調査

静岡県知事より記録保存の指示があり、記録保存の措置を講ずることで協議が成立した場合には、発掘調査を行うこととなります。発掘調査は、開発事業者が御前崎市教育委員会に委託して行われることが一般的です。御前崎市教育委員会が発掘調査を実施することとなった場合は、調査工程や期間、調査費用等について協議を行います。また、開発事業者には発掘調査の事前

埋蔵文化財の発掘調査依頼書(ワード:28KB)

と土地所有者または占有者の

発掘調査承諾書(ワード:30KB)

の提出をお願いします。なお、記録保存の措置とは、現地調査と調査成果の整理、分析、報告書の刊行までを含みます。 発掘調査実施後は工事に着手して差し支えありませんが、調査の結果、極めて重要な埋蔵文化財が発見された場合は、その取扱いについて再度協議をお願いすることもあります。

調査費用の原因者負担

発掘調査の費用については、本来、現状保存が最良の方法であるのに、開発により調査せざるを得なくなったという考えから、開発事業者(原因者)に負担していただくこととなっています。ただし、個人等で原因者負担とすることが困難な場合は、その負担軽減のため調査費用の全額又は一部について公費負担等の助成制度があります(個人住宅造成や農地改良等)。

埋蔵文化財に関する問合せ

埋蔵文化財包蔵地及び周辺部での土木工事や建築工事等の掘削工事を計画される場合や、土地を造成する計画のある事業者の方は、あらかじめご相談ください。

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社会教育課
〒437-1692 静岡県御前崎市池新田5585番地
電話:0537-29-8735
ファックス:0537-29-8737

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更新日:2023年09月06日