損害賠償請求権行使請求事件(住民投票費用)
令和3年(行ウ)第3号 損害賠償請求権行使請求事件(第1審)
原告:個人(市民10名)
被告:御前崎市長
※本訴訟案件は、令和2年6月5日付け損害賠償請求権行使請求事件(令和2年(行ウ)第12号)として(原告:個人外複数の個人)提起されていたが、令和3年1月27日付けで原告らが取下書を静岡地方裁判所に提出し、新たに本訴状が提出された。
訴訟の提起
原告らは、被告に対し、池新田財産区(管理者)と民間事業者が契約した土地賃貸借契約(平成29年12月5日締結)が違法であり、令和元年12月8日に住民投票を実施したことに係る費用等の経費764万6,000円は不要支出で市の損害であると主張して、訴外関係者8名に対し、連帯して市に賠償するよう請求することを求めて、令和3年1月19日付けで静岡地方裁判所に訴状を提出した。
市(被告)の主張
本件土地賃貸借契約書並びに契約締結の手続きに違法性はなく、本件契約行為は有効である。住民投票の実施に関しては、市議会による条例の制定後に実施しており、実施したことに係る費用等の経費は、損害にあたるものではなく、原告らの訴えは、訴訟要件を欠く不適法なものであり、原告らの請求の却下を求める。
訴訟の経過
令和3年1月19日(火曜日) 提訴
令和3年3月5日(金曜日) 第1回期日_口頭弁論
令和3年5月13日(木曜日) 第2回期日_弁論準備手続
令和3年7月15日(木曜日) 第3回期日_弁論準備手続
令和3年9月16日(木曜日) 第4回期日_弁論準備手続
令和3年10月29日(金曜日) 第5回期日_口頭弁論(結審)
令和4年2月25日(金曜日) 判決言渡し
判決主文
1.原告の訴えをいずれも却下する。
2.訴訟費用は原告らの負担とする。
裁判所の判断(判決抜粋)
原告らは、本件賃貸借契約の違法性及び本件賃貸借契約が締結された結果、住民投票を行うに至ったために御前崎市にその実施に必要な費用等の経費を支出させたことを損害として主張しており、原告らの各請求は、不法行為による損害賠償請求として構成していても、結局、本件賃貸借契約の締結の違法を捉えて、これを問題とするものであるといわざるを得ない。よって、原告らの主張は、採用できない。
よって、本件監査請求は、本件賃貸借契約の締結日を基準として本件規定が適用されるところ、同日から監査請求期間である1年を経過して行われており、242条2項ただし書きの「正当な理由がある」と評価するに足りる事実を認めることもできず、不適法である。
したがって、原告らの本件各訴えは、いずれも適法な監査請求の前置を欠き、不適法である。
以上によれば、原告らの本件各訴えは、いずれも不適法であることからこれらを却下することとして、主文のとおり判決する。
令和4年(行コ)第96号 損害賠償請求権行使請求控訴事件(第2審)
控訴人:個人(市民10名)
被控訴人:御前崎市長
管轄:東京高等裁判所
控訴の理由
原判決は、控訴人らに対し、未だ発生していない損害に係る監査請求を行うといった不可能を強いるものであると共に、原審判決は解釈適用を誤った判決であるから、破棄を免れない。
訴訟の経過
令和4年3月8日(火曜日) 控訴
令和4年8月26日(金曜日) 第1回期日_口頭弁論
令和4年10月20日(木曜日) 第2回期日_口頭弁論(結審)
令和4年12月26日(水曜日) 判決言渡し
判決主文
1.本件各控訴をいずれも棄却する。
2.控訴費用は控訴人らの負担とする。
裁判所の判断(判決抜粋)
控訴人らは種々の主張をするが、いずれも原審における主張と実質的に異なるものではないか、結論を左右するに足りる内容のものではなく、いずれも採用することはできない。
よって、控訴人らの本件訴えはいずれも不適法であるから却下するのが相当であるところ、これと同質の原判決は相当であり、控訴人らの本件各控訴はいずれも理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。
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更新日:2023年01月20日