財産区について

財産区とは

 市町村の一部で、財産(山林、原野、ため池等)を有し若しくは公の施設(公民館、自治会館等)を設けているもの又は市町村の配置分合若しくは境界変更の場合におけて、関係地方公共団体の協議に基づき市町村の一部が財産を有し若しくは公の施設を設けているものをいい、法人格を有する特別地方公共団体である。(地方自治法第294条第1項)
 地方自治法は、特別地方公共団体として位置づけているため、市町村(普通地方公共団体)の一部であるが、市町村とは別の法人格として区別している。

財産区の沿革

 江戸時代以前から農耕を中心とした生活共同体として自然発生的に生まれた「自然村」的な村の性格に基づくもので、農業用のため池や入会林野等の村民創友の財産が生まれ、使用収益された財産が財産区財産の母体であるといわれている。
 明治22年市制・町村制施行、その後昭和28年町村合併促進法の際などの市町村合併を円滑に推進させるため、市町村の一部で財産又は公の施設を有するものを合併後の市町村に帰属させず、その区域を「財産区」という特別地方公共団体として取り扱い、地方自治法に定める規定を適用しようとするのが財産区制度である。前者は「旧財産区」後者は「新財産区」と呼ばれている。

御前崎市の財産区の経過

池新田財産区

慶長年代(西暦1605年頃)新野池を干拓し池新田村を起こしたことに始まる。(当時は「新野池新田」とも呼ばれていたが、新野村から独立する際に「池新田」に改められた。)
明治22年(西暦1889年)市制・町村制施行に伴い、池新田村と門屋村・塩原新田・合戸村との合併で新しい池新田村が誕生により、旧池新田村の財産を池新田財産区として設立した。
昭和15年(西暦1940年)池新田村が池新田町となる。
昭和30年(西暦1955年)市町村合併促進法により浜岡町が誕生。池新田財産区は継承され、池新田財産区管理会が設置された。
平成16年(西暦2004年)御前崎町と浜岡町が合併し御前崎市が誕生。池新田財産区及び池新田財産区管理会は継承された。

池新田西財産区

昭和30年(西暦1955年)市町村合併促進法により浜岡町が誕生。旧池新田町の池新田財産区以外の合戸(七ツ山含む)・塩原の旧町有財産を池新田西財産区として設立し、同時に池新田西財産区管理会が設置された。
平成16年(西暦2004年)御前崎町と浜岡町が合併し御前崎市が誕生。池新田西財産区及び池新田西財産区管理会は継承された。

佐倉財産区

昭和30年(西暦1955年)市町村合併促進法により浜岡町が誕生。旧佐倉村の村有財産を佐倉財産区として設立し、同時に佐倉財産区管理会が設置された。
平成16年(西暦2004年)御前崎町と浜岡町が合併し御前崎市が誕生。佐倉財産区及び佐倉財産区管理会は継承された。

比木財産区

昭和30年(西暦1955年)市町村合併促進法により浜岡町が誕生。旧比木村の村有財産を比木財産区として設立し、同時に比木財産区管理会が設置された。
平成16年(西暦2004年)御前崎町と浜岡町が合併し御前崎市が誕生。比木財産区及び比木財産区管理会は継承された。

新野財産区

昭和30年(西暦1955年)市町村合併促進法により浜岡町が誕生。旧新野村の村有財産を新野財産区として設立し、同時に新野財産区管理会が設置された。
平成16年(西暦2004年)御前崎町と浜岡町が合併し御前崎市が誕生。新野財産区及び新野財産区管理会は継承された。

朝比奈財産区

昭和30年(西暦1955年)市町村合併促進法により浜岡町が誕生。旧朝比奈村の村有財産を朝比奈財産区として設立し、同時に朝比奈財産区管理会が設置された。
平成16年(西暦2004年)御前崎町と浜岡町が合併し御前崎市が誕生。朝比奈財産区及び朝比奈財産区管理会は継承された。

財産区の性格

特別地方公共団体であること。

  • 一定の地域が構成要素となる。
  • 区域内のすべての住民が財産区を構成するものであり、区域内の住民は財産区の構成員となる。
  • 公法人であることから、営利を目的とする所有財産から得た収益を当該区民に分配することはできない。

市町村の区域の一部であること。

  • 市町村の一部の区域を区域とする地方公共団体であるから、2以上の市町村をまたがって存在することはない。

財産又は公の施設を所有することが存在の要件である。

  • 財産区の財産等は公有財産であり、その財産等をすべて処分し、所有権を喪失すれば、財産区は法人格を失い、消滅することになる。

財産区の権能

所有する財産又は公の施設の管理及び処分又は廃止に限られ、公益事業を積極的に行うという広範で事務を処理することができる権能を持たない。

  1. 保存行為…財産の現状を維持するための事実行為及び法律行為
  2. 利用行為…財産の現状及び性質に従って利用するための事実行為及び法律行為
  3. 改良行為…財産の性質を変更することなく、使用価値又は交換価値を高める事実行為及び法律行為
  • 新しく財産を取得することや、事業を運営することはできない。
  • 課税をすることや、分担金を徴収することができない。
  • 起債をすることができない。
  • 市町村の工事を請け負うことができない。

財産区の運営

運営の形態(御前崎市の場合)

財産区管理会を設置している。

財産区議会が設置されていない場合に、財産区管理会設置条例により管理会を設置し、管理委員は区域住民から選出して、区域住民の意向を反映させることができるようにしている。
定数や任期などは地方自治法に規定される。
財産区の管理及び処分に関する重要な事項については、財産区管理会の同意が得られない限り、市町村議会の議決を経ても、市長村長は執行できない。

基本原則

  1. 財産区住民の福祉の増進を図ること。
  2. 市町村との一体性の確保に努めること。

財産区の機関

執行機関

財産区は固有の執行機関を持たず、市町村の執行機関が行う。市長村長が職務の一環として財産区の財産を管理及び処分や予算の調製及び執行、その他財産区に関する事務を処理する。
財産の管理及び処分として、土地の売買、賃貸借契約の行為を締結するのは、市町村長(財産区管理者)である。

議決機関

法令の規定により議決を経る必要がある場合、財産区議会が設置されている場合を除き、市町村の議会が議決する。

財産区管理会(御前崎市の場合)

財産区管理委員をもって組織する任意的機関である。市町村との一体性を保持しつつ、財産区の運営に住民の意思を反映させることを目的として「簡素な機関」として設けられた審議機関である。

財産区管理会の権能

  1. 主要な財産処分等に対する同意権
  2. 委任事務の執行権(管理行為(保存、利用、改良)に限定される)
  3. 監査権(事務処理について監査することができる)

財産区の会計

財産区の収入及び支出については、会計を分別しなければならない。

  • 御前崎市では、財産区特別会計条例を制定し特別会計を設置している。なお、朝比奈財産区は収入が無いため、特別会計は設置されていない。

財産区特別会計から一般会計への操出金

操出金

財産区の特性として、各財産区から区域内の各町内会などへの補助金を直接支出することはできません。財産区がその経費を操出金として市の一般会計に操出し、市の地区振興助成事業として支出しています。

操出金の主な使途内容

各財産区区域内の町内会活動、各種団体、防犯・防災対策、環境整備、福祉増進、教育振興事業などに対する地区振興助成事業として支出しています。

この記事に関するお問い合わせ先
財政課
〒437-1692 静岡県御前崎市池新田5585番地
電話:0537-85-1112
ファックス:0537-85-1137

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更新日:2022年11月10日