感染症「百日咳」(ひゃくにちせき)について
「百日咳」は、特有の連続する咳を特徴とする急性気道感染症で、患者の咳やくしゃみで感染します。発症しても年長児や成人では長引く咳のみで命に関わりませんが、百日咳ワクチン未接種の新生児や3か月未満の乳児では重症になり、死亡する危険性があります。
症状
熱はなく、風邪の様な症状からしだいに咳が著明になり、典型的には連続性の咳が認められますが、新生児や乳児では無呼吸発作で始まることもあり、年長児や成人では典型的な連続的な咳は認められず、長引く咳だけのことも多いです。
治療等
- 治療は、マクロライド系抗生物質の1週間の内服が奨励されています。
- 受診や診断が遅れると、抗体物質治療をしても咳が2~3か月続きます。
- 抗生物質の内服開始後5日が経過するまでは他の人に感染させる力があり、登園・登校できません。また、無治療の場合は発症後3週間感染力が持続します。
ワクチン、免疫等
- 百日咳はワクチンでのみ予防できます。
- 一度百日咳にかかった人でも終生の免疫はつきませんので、百日咳に再び感染することがあります。
- 四種混合ワクチンには百日咳ワクチンが含まれますが、定期接種の4回では、免疫防御効果の持続が短く、8割のお子さんで小学校入学までに百日咳の抗体が低下します。
百日咳の感染拡大を防ぐために
- 生後3か月になったら、速やかに四種混合ワクチンを接種しましょう。
- 年長児や成人で長引く咳がある方は、医療機関を受診し百日咳の検査を受けましょう。
重症化する赤ちゃんへの百日咳の感染を防ぐために
- 赤ちゃんのケアをする家族、医療従事者、保育関係者が百日咳の感染源にならないことが重要です。長引く咳は、可能な限り早く百日咳の検査を受けましょう。
- 咳がある間は、手洗いをしっかりし、マスクをして赤ちゃんと接しましょう。
- 小中学校等で百日咳が流行し、家庭に持ち込まれ赤ちゃんに感染します。長引く咳がある児童・生徒は、診察を受けましょう。
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更新日:2019年12月27日